レッド・デッド・リデンプション
2013年 10月 09日
「グランド・セフト・オート」シリーズで有名なロックスター社による、
西部開拓時代を舞台としたオープンワールドアクションゲームだ。
簡単に言ってしまえば「西部劇版GTA」である。
「ヤングガン」(1988)という映画を見てからというもの
西部劇にハマり出した。
クリント・イーストウッド演じる「名無しの男」シリーズや、
「ワイルドバンチ」「駅馬車」「OK牧場の決斗」など
とりあえず「ちょっとしたにわかファン」として語れる程度には映画を見て来たつもりだ。
今回、関連書籍を読んだ際に
同ゲームが「マカロニウェスタンの魅力を完全に内包している」と
絶賛されていたので手に取った。
欧米では大ヒットしたそうだが、日本での売り上げは振るわなかったらしい。
西部劇ファンとゲーマー……明らかに層が合致しないので仕方あるまい。
ストーリーは、元アウトローの主人公ジョン・マーストンが
政府に家族を誘拐され、脅迫される形でかつての仲間を抹殺していくというもの。
マーストンはかつての罪を清算するため、内戦状態のメキシコに渡る。
もう、この時点で「おお」である。
「ワイルドバンチ」だ。
主人公が汽車を降り、馬にまたがると、そこには西部開拓時代というよりも
マカロニウェスタンの世界が広がっていた。
美麗なグラフィックに文句など浮かびようがない。
リンチ、列車強盗、決闘、駅馬車襲撃、取引と裏切り、メキシコ人、悪者たちとの銃撃戦……。
もうマカロニ、マカロニ、マカロニ。
「ものすごいゲームを買ってしまった」と感動。
難易度もそう難しくなく、狙いをつけなくても
標準が勝手に相手を向くので戦闘は連打だけで突破できる。
「デッドアイ」という技を使うと相手がスローモーションになり、早撃ちを再現。
ドドドン! 気分はもうイーストウッドだ。
GTAと同じように自由度が非常に高く、基本的に何をしてもOK。
馬で走っていれば勝手にマカロニなイベントが始まるし、
賞金首を狙って戦うのも楽しい。
決闘を持ちかけられたら……もちろん受けるしかない。
本編の内容もクセ者揃いの脇役から協力を得て戦いに挑むジョンがカッコイイ。
かつての仲間を殺すこと、そして消えない罪について葛藤しつつも、
「家族のためにもヤツらは殺す」と言い切る彼はとても魅力的だ。
見た目や行動は完全にアウトローだが心の奥底には良心を持っており、
そこをつけこまれるシーンも多い。マカロニなので当然リンチもされる。
だが、ジョンは諦めない。彼が進む道は一つしかない。
ラストについては伏せるが、思わず涙が出てしまった。
敵役で、かつてジョンたちのリーダーだったダッチの台詞が虚しくリフレインする。
ストーリーが終わったあと「これ、続きが遊べるのか?」と思っていると
これまた素晴らしい演出で続きが始まる。
そこまで遊んだプレイヤーならば、
誰もがやるべきだと感じるであろうことをやると、エンドロールが流れる。
完璧な流れに鳥肌が立った。
このゲームについて、文句はない。
傑作である。
ちなみにこの「RDR」、続編が出ているのだが
「アンデッド」がテーマになっているそうで、
作中で死亡したキャラクターなんかがゾンビとして生き返るらしい。
全て台無しにしていないか? 今のところプレーするつもりはない。
ストーリーだけ別の西部劇に差し変えて出してくれるだけでも、絶対買うんだけどな。